音のない帰路。見上げれば満月だった。この前、見に行った海月に似てる。写真を撮って送りたいな。なんて思いながら胸が締め付けられる。なんだか息苦しい。窒息しそうだ。

波打ち際に立って水平をみる。凪でもなければ高波でもない海の水平。船一隻さえ浮いていない。この先に何があるのかを知らなければ好奇心が持てるかもしれないけど、僕はこの先の島の名前を知っている。 足底の砂が引き波に攫われていく。足趾が浮いて居心地…

別れ際に振り替えってはいけないってわかっているけれど誘惑に負けてしまって振り返ると君はあいも変わらず手を振ってくれる。 いつまでも一緒にいたいと思える人。 手を振る君にまだ一緒にいたいと口に出しそうになって口をつぐむ。 プラットニックでいるた…

きっと一生忘れずにいれるだろうと感じる瞬間があった。それを思い出す瞬間に立ち会った。何で忘れてしまったのかなと疑問に思うんだけど、それはまた一生忘れられない瞬間に立ち会ったからだろう。 こんな事が高校生時代の手帳に書かれていた。今のわたしに…

明日には、死んでしまっているような気がする。世界情勢やパンデミックが影響したこの空気のせいかもしれない。僕は明日も生きていると自信が持てない。今日の後悔はあなたに会えなかったこと。幸福に感じれたことはあなたと会わず流行りのウィルスに感染さ…