名もなき登場人物

この世界は僕の考えた物語であると考えると良い。勿論、僕とはこの文章を書いている僕ではなく、物語の中に自分を投影してしまった僕である。

 

僕はスーパーで買い物をしているするとある2人の人物に声をかけられた。(名前を知らないのでaとbとしよう。)2人のうちの1人、aは足を組み座っていたが突然、僕に商品を投げてきた。「欲しかったものだろ」と言った。たしかにそれは欲しかったものだった。

また、それを見せてくれとと言ったので、渡す。すると「やっぱりな」と言い。もう一度僕にそれを見せた。それはさっきまで見ていた、僕の欲しかった商品ではなく。全く知らないものだった。bがどうしてだと驚愕し声を上げる。僕は上があるってことだなという。aはそうだなといい、天井に指を差してこの世界を作った奴がいるってことだとニヤついていた。僕は日頃からこの世界の想像主がいる可能性を感じていたがその事実にはたどり着けず、また、それを理解できる人がこの世界には存在しないと感じていた。ところが突然、僕の前にこの世界に想像主がいる事実を証明して見せたaが登場した。これは奇跡的である。そして、aにとってもこの事実を理解できる僕という存在に出会えたことが奇跡的だと感じているに違いなかった。

僕とaは意気投合し、スーパーを出た。すると夜になっていた。空には満月が輝いている。そこから少し北には月の半分ほどのサイズをした星があり、その星の名前を僕は知らなかった。aにあれは何かと尋ねる。aはあれを知らないのかと少し驚いた様子だ。そして、そうかお前だったのかとゲラゲラゲラゲラと笑う。そして僕も「そうか俺か」と笑う。やがて視界が暗くなり、僕とaの笑い声だけが響き続ける。

私は目を覚ました。時計は午前3時半ごろを差している。なんでこんな早くに起きてしまったんだと嫌な気持ちになっているとなんだかさっきまで夢を見ていた気がした。